今回は、遮熱塗料と断熱塗料について、温度を下げる効果やメカニズムの違い、歴史や耐用年数、相場単価など徹底的に比較分析していきます。

「温度を下げる塗料ってのは分かるけど、何がどう違うんだろう？」

本記事は、そんな疑問を感じている方に読んでいただきたい内容になっています。こちらを読むことで適切な判断のもと塗料の選定ができるようになりますし、悪質な業者に騙される心配もなくなるはずです。

記事後半では、「遮熱塗料と断熱塗料ではどちらを選べば良いか？」というよくある質問に対し、日々現場で作業している我々プロの塗装屋の見解もお答えしていますので、そちらもぜひ参考にしてください。

遮熱塗料と断熱塗料の温度を下げるメカニズムの違い

遮熱塗料と断熱塗料の違いを簡単に説明すると、光を反射するか、熱を遮断するかの違いです。

太陽光の一つである赤外線は、屋根や外壁にあたると光から熱に変わります。遮熱塗料は光を反射することで熱の吸収を抑え、一方、断熱塗料は一旦塗料で熱を吸収しその熱を屋根や外壁に伝わりにくくする特性を持ちます。

遮熱塗料も断熱塗料も「建物の温度上昇を抑える」という目的は同じですが、そのメカニズムは違うわけです。

遮熱塗料と断熱塗料ではどちらが効果があるのか？

結論からいうと、一般住宅では遮熱塗料も断熱塗料も、温度を下げる効果はほぼ変わらないと考えて良いでしょう。

というもの、一般住宅の場合、外部表面の屋根瓦や外壁材だけではなく、断熱材やコンパネ、防水シートに躯体部など、何構造にもなって造られています。仮に表面温度に若干の差があったところで、室内温度に大きく影響するとは考えにくいのです。

それに、断熱塗料の多くは赤外線を反射する遮熱効果を持ち合わせています。というより、むしろ遮熱塗料に断熱機能を付与したもの、といった方が良いでしょう。ですから、遮熱であれ断熱であれ効果は大差ないわけです。※一般住宅向けの塗料の話です。

➡︎遮熱塗料の実際の効果とは？本当にエアコン代が安くなる？部屋が涼しくなるの？

遮熱塗料と断熱塗料の耐用年数と相場価格 比較表

※上記価格は参考目安。家の状態や地域により若干変動します。

少し補足しておくと、遮熱塗料も断熱塗料も「一般の塗料に効果を付与して造られているもの」です。ですから、耐用年数も価格（平米単価）も、結局は元のベースとなっている塗料に依存するということです。

特に遮熱塗料に関しては種類も多いため、必ず「ベース塗料のグレードを確認」することが重要です。断熱塗料はそこまで商品数は多くありませんが、シリコン樹脂グレードがほとんどです。有名な断熱塗料「ガイナ」も主成分はシリコン樹脂です。

➡︎塗料の性能グレードの違いや基本知識はこちら

遮熱塗料と断熱塗料のメリットとデメリットを徹底比較

■遮熱塗料と断熱塗料のメリット・デメリット

※商品によって性能は若干異なります。

断熱塗料のメリット

断熱塗料の最大のメリットは保温効果と結露防止です。

先ほど説明したように、断熱塗料は一旦熱を吸収し、その熱を屋根や外壁に伝わらないようにする特性を持ちますので、ちょっとした魔法瓶のような効果があるわけです。

つまり、断熱塗料の効果は炎天下の夏場だけではなく、冬も多少なりとも効果があるといわれています。

遮熱塗料のメリット

遮熱塗料の最大のメリットは、やはり信頼に値する実績です。

例えば、日本三代メーカーと言われる「日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研」などは断熱塗料の開発に消極的で、主力商材の多くは遮熱塗料となっています。そのほかのメーカーにおいても、やはり遮熱塗料の方が商品数が圧倒的に多く、断熱塗料は少ないという現状です。

これだけ多くのメーカーが遮熱塗料を販売しているということは、裏を返せばそれだけ遮熱塗料が信頼に値する塗料だという証明でもあるわけです。

結論：断熱塗料と遮熱塗料はどちらを選べば良いのか？

今回の比較から得られる結論として、個人的には遮熱塗料をおすすめします。

まず、遮熱塗料は信頼に足るだけの実績があり、不具合のリスクも低いと言えます。塗料の信頼性は実績によって裏付けられるものであり、これはお客様が安心して利用できる上で最重要事項だと考えているためです。

また、塗料の効果がどれほど優れていたとしても、不具合が生じればその利点は半減してしまいます。遮熱塗料は実績に裏打ちされた信頼性があり、お客様にとって安心して利用いただける塗料だと言えるのです。

総合的な観点から見ても、断熱塗料より遮熱塗料の方がより堅実で信頼性があると考えます。

株式会社ソウシンでは、遮熱塗料や断熱塗料だけではなく、あらゆる種類の塗料を取り扱っており、お客様のご要望や将来設計、ご予算などに合わせ、より良い塗料をご提案しています。外壁塗装の塗料選びでお悩みの方は、ぜひ当社へご相談ください。

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