外壁塗装のオリジナル塗料って何?本当に長持ちする?デメリットってある?
外壁塗装工事で最近よく耳にする「オリジナル塗料」
- 「20年持つ」って営業マンは言うけど本当にそんなに長持ちする塗料なの?
- かなり高額だけど、それに見合うだけの性能はある塗料なの?
- オリジナル塗料のデメリットが知りたい!
オリジナル塗料に関するこうした疑問や不安をお持ちの方のために、今回は過去にオリジナル塗料を扱っていた我々株式会社ソウシンが、オリジナル塗料の中身や業者サイドの本来の目的、そしてお客様にとってのメリット・デメリットなどを忖度なしに解説していきます。
目次
オリジナル塗料とは何か?
外壁塗装のオリジナル塗料とは、塗装業者が独自に自社ブランドとして取り扱い販売している塗料のことです。
中身は、塗料メーカーが製造した既製品(OEM商品)であり、99%ネームラベルを張り替えただけのブランディング目的の塗料になります。
中には、「塗料メーカーと共同開発した塗料」といったような大それた説明をしている会社もありますが、塗料販売代理店がOEM塗料として企画制作しているだけで、誰でも簡単に作ることができます。※一介の塗装業者やハウスメーカーが製造レベルで塗料メーカーと直接関わることはまずあり得ません。
主に、全国展開している塗装訪問販売業者やハウスメーカー、一部の塗装屋さんが取り扱っており、プライベートブランド塗料(PB塗料)や、自社開発塗料、オリジナルブランド塗料などと呼ばれることもあります。
オリジナル塗料の実力は?本当に長持ちするの?
では、オリジナル塗料の実力は実際どうなのか?本当に営業マンがいうように長持ちするのか?という点ですが、これは元となる塗料の性能によります。
例えば、おすすめしてくるオリジナル塗料が一般的なシリコングレードであれば8〜12年程度ですし、フッ素塗料なら12〜15年程度の耐用年数となります。
ただし、オリジナル塗料の中身がどのような成分で構成されているのか?といった詳細情報は絶対に教えてくれませんので、営業マンが説明する話が本当かどうか立証する手立てはありません。
それを良いことに、「弊社のオリジナル塗料は20年以上持ちます!」などと説明してくる塗装業者もたまにいますが、そんなことはまずあり得ませんので信じないようにしましょう。※現在、一般住宅向けの20年以上持つ塗料は存在していません。
オリジナル塗料をおすすめしない3つの理由
率直に申し上げて、オリジナル塗料はおすすめしません。
というのも、じつは私どもも過去に自社でオリジナル塗料を取り扱ったことがありまして、その経験から「オリジナル塗料にお客様のメリットはない」と実感したためです。
以下、私どもが考えるオリジナル塗料のデメリットを3つ紹介しますので、ぜひ一度目を通した上でご検討ください。
1.製造元・性能が不明(裏付けが取れない)
まず、外壁塗装のオリジナル塗料はその性能や製造元が明確でないという点です。つまり、どこのメーカーの製品で、どの程度の性能を持つ塗料なのか、お客様側には確認するすべがない仕様になっているということです。
たとえどんなに「良い塗料だ」と説明を受けても、それらを裏付けるエビデンスは皆無で、その担当者や営業マンの話を無条件に信じる以外ないという状況なわけです。
2.アフターが不安(施工会社が倒産した場合どうするの?)
次に問題となるのが、オリジナル塗料はその塗装業者の独自商品なので、万が一その業者が倒産した場合、不具合に関してはどこが対応・保証してくれるのか?という点です。
大手塗料メーカーの商品であれば、製品に対するメーカー保証もアフター対応も充実しています。しかし、塗装独自のオリジナル塗料となると、状況は異なるわけです。最悪泣き寝入りしないといけないケースもあるかもしれません。
3.比較検討できない(見積もり金額の妥当性が分からない)
最後は、オリジナル塗料だと見積もりの比較検討ができないという点です。じつはお客様にとってこれが一番切実な問題なのかもしれません。
先ほどもお伝えしたように、どの業者もオリジナル塗料の中身は基本的に公表しません。どこの塗料メーカーの製品なのか、OEMの元になっている商品名はなんという名前の塗料なのか、一切明かしてくれないでしょう。
そうなると、見積もり金額の妥当性も分かりませんし、比較検討などできるわけがないのです。それこそが、この「オリジナル塗料の最大の落とし穴」です。
なぜ近年オリジナル塗料を扱う塗装業者が増えてきたのか?
さて、これまでオリジナル塗料に関して深掘りして説明してきましたが、おおよその概要は理解いただけたのではないかと思います。
ここからは少し角度を変えて、「なぜ塗装業者はオリジナル塗料を取り扱いたがるのか?」について少し触れていきます。これらの裏事情が分かれば、心の奥にあったモヤモヤがスーッと消えるかもしれません(笑)
オリジナル塗料を扱う塗装業者側のメリットは盛りだくさん
オリジナル塗料を扱う業者サイドには、数多くのメリットが存在します。以下その一部です。
1. 価格を自由に設定可能
自社だけが取り扱うオリジナルブランドということで、自由に価格操作できる。一般相場がない。
2. 相見積もり対策
オリジナル塗料ということで他社競合と単純比較できないような仕組みを作れる。相見積もり対策を講じられる。
3. 社員教育が楽
扱う商材を減らすことで塗装知識・経験の少ない新人でもマニュアルさえ覚えれば営業可能。説明に必要な知識・情報がグッと減る。訪販が多い理由がまさにこれ。
4. 塗料原価を下げる
扱う商材を限定することで塗料の仕入れ値を下げて利益を増やすことが可能。余った塗料の在庫も減り管理もしやすい。
5. ブランディング
自社オリジナルというブランドによる宣伝アピール。営業販売促進ツール。インパクト。
6. 自己満足
自社でネーミングした商品を扱っている社長の自己満足。
オリジナル塗料にはこれだけ多くのメリットがあるんですね。ですから、近年多くの塗装業者がオリジナル塗料を取り扱い始めているんです。でも、お客様にとっては何が何だか分かりづらくなって、逆に混乱を招く原因となっているんです。
一方、オリジナル塗料を利用する側(お客様側)のメリットはない
では、オリジナル塗料を利用する側、つまり提案されるお客様側にはどのようなメリットがあるのか?
残念ながら、お客様側にはオリジナル塗料のメリットは一つもありません。逆にデメリットはこんなにもあります。
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ですから、結論としてオリジナル塗料を利用するぐらいなら、性能も製造元もはっきりしている大手塗料メーカーの商品を選んだ方が間違いなく安心なのです。
まとめ:オリジナル塗料はお客様サイドにはデメリットしかない
オリジナル塗料とは、中身は塗料メーカーが製造した既製品のOEM商品(ラベルだけを張り替えた商品)であり、その会社独自に開発された塗料ではありません。
つまり、オリジナル塗料とは名ばかりで、市場には元となっている同じ性能の塗料(既製品)が流通しているわけです。
もちろん、オリジナル塗料の中には優れた性能を持つ塗料もあるでしょう。
ただし、お客様側にはそれらを調べる手立てもなく、判断基準すら持てない。いわば、塗装業者の言われるままに従うしかないという状況に立たされるわけです。
それでなくともお客様にとって分かりづらい塗料選びですから、個人的には不透明でより複雑化されたオリジナル塗料をあえて選ぶ必要はないかなと感じ、弊社ではオリジナル塗料の取り扱いをやめたわけです。
株式会社ソウシンでは、お客様の要望や将来設計から、ご自宅にあう最適な塗料をご提案しています。些細な悩みや疑問でも構いませんので、お気軽にお問い合せください。