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外壁塗装のラジカル塗料:特徴とデメリット、種類別の耐用年数と単価の比較

 

ラジカル塗料ってどんな塗料なの?

 

 

屋根・外壁の塗り替え用としていま最も注目されている新塗料「ラジカル塗料

 

その人気から現在ではさまざまなメーカーがラジカル塗料を製造・販売しており、その都度呼び方や性能面などもバラバラで、初心者にはなかなか良し悪し判断するのが難しくなってきています。

 

 

そこで今回は、ラジカル塗料の特徴や歴史デメリット選び方のポイントについて解説します。また、ラジカル塗料の価格帯やコスパ、各塗料メーカーの代表的な製品についても詳しく紹介していますので、ぜひ塗料選びにお役立てください。

 

➡︎塗料の基礎知識はこちらで解説しています

 

 

ラジカル塗料とは?特徴と歴史について

 

ラジカル塗料(正式名称:ラジカル制御型塗料)は、紫外線が当たることで発生する「ラジカル」という物質を抑制する機能を持つ塗料のことです。

 

ラジカルとは、塗料を破壊し、劣化させる原因の一つになります。

 

ラジカル塗料が誕生した経緯

これまで各塗料メーカーは、このラジカルという厄介な物質に対し、高い耐久力で対抗しようと、より高耐候な塗料の研究を重ねてきました。

 

しかし、「劣化の原因になっているラジカルの発生を抑えられないものか?」という新しい発想で開発に乗り出したのがあの日本ペイント(株)。

 

こうして、2012年に国内初となるラジカル制御型塗料「パーフェクトトップ」が日本ペイントより発売され、その後各塗料メーカーも続々と販売開始、現在では業界でも注目を集める人気塗料となっています。

 

 

 

ラジカル塗料の特徴

ラジカル塗料の最大の特徴は、屋根や外壁の「色あせ」を抑制してくれることです。

 

外壁や屋根が汚れてきたなと感じる1番の原因は「色あせ」(チョーキング現象)によるもの。その色あせを軽減してくれる塗料ということで、まさに夢のような塗料と期待されているわけです。

 

 

 

ラジカル塗料の仕組み・定義について

 

もう少しラジカル塗料について補足していきます。

 

まず、塗料には「アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素」の4種類あり、外壁塗装て使用される塗料は、基本的にこの4種類がベースになっています。

 

 

■塗料の基本グレード(樹脂)

塗料の基本グレード(樹脂)

 

 

 

そしてラジカル塗料というのは、「上記4種類のどれかをベースに、新たにラジカル制御という新機能を追加した塗料」と考えると分かりやすいでしょう。

 

 

画像:ラジカル塗料の仕組み

 

つまり、ラジカル塗料とひとえにいってもいろんな種類があるというわけですね。

 

 

 

ラジカル塗料の種類について

例えば、シリコン塗料にラジカル制御機能を追加して製造すれば「ラジカル塗料」です。

 

同様に、アクリル塗料にラジカル制御機能を追加したら、これもまたラジカル塗料になるんです。面白いですよね。

 

 

では今度は、フッ素塗料にラジカル制御機能を追加している場合はどう呼ばれるのか?

 

この場合は、「フッ素塗料」もしくは「ラジカル制御付 フッ素塗料」といった感じで、フッ素が全面に押し出されるようになるんです。理由は、世間的にフッ素の方が性能が高いと感じるためですね。都合がいいですよね。

 

このように、ラジカル塗料には数多くの種類があり、その定義はじつに曖昧です。では、これらの仕組みを理解した上で、今度はラジカル塗料の耐用年数や価格帯を見ていきましょう。

 

 

 

ラジカル塗料の相場価格(平米単価)

 

ラジカル塗料の相場価格は、2,000~4,500円/m2です。この相場価格の差は、前項で説明した通りです。

 

もう少し相場感がわかるように、以下に代表的なラジカル塗料の設計単価をまとめましたので参考にしてください。

 

人気ラジカル塗料一覧︎

塗料名 m2単価 ベース樹脂 性 質 メーカー名
パーフェクトトップ 3,140円/㎡ アクリル樹脂 水性 日本ペイント
ファインパーフェクトトップ 3,370円/㎡ アクリル樹脂 油性 日本ペイント
パーフェクトセラミックトップG 3,940円/㎡ 無機系 水性 日本ペイント
エスケープレミアムシリコン 3,000円/㎡ シリコン樹脂 水性 エスケー化研
エスケープレミアム無機 無機系 油性 エスケー化研
アレスダイナミックTOP 2,700円/㎡ シリコン樹脂 水性 関西ペイント
アレスダイナミックTOPマイルド 2,900円/㎡ シリコン樹脂 油性 関西ペイント
アレスダイナミックMUKI 3,670円/㎡ 無機系 水性 関西ペイント
アレスダイナミックMUKIマイルド 4,010円/㎡ 無機系 油性 関西ペイント

※上記は塗装面積300㎡以上を対象とした設計単価。各塗料メーカーから発表された設計単価表をもとに作成しています。

 

※補足:日本ペイントの「パーフェクトトップ」と「ファインパーフェクトトップ」はアクリル樹脂ベースとなっていますが、日ペの担当者いわく「アクリル樹脂の純度・濃度をあげて、シリコン以上の高耐候生を実現している」とのこと。

 

 

 

ラジカル塗料の耐用年数について

 

■ラジカル塗料の種類別 期待耐用年数(目安)

 

  • シリコン樹脂ベースのラジカル塗料…約8〜13年
  • フッ素樹脂ベースのラジカル塗料…13〜15年
  • 無機系ベースのラジカル塗料…14〜20年

 

感覚的には、ラジカル制御が付与されることでベースにしている塗料の耐用年数が1〜2年延びるといった感じでしょうか。

 

現在、ラジカル塗料の中でもっとも多いのがシリコン樹脂ベースのラジカル塗料で、シリコンと同価格でありながらシリコンよりも性能が高いということでコスパの高さが人気の理由です。

 

 

 

ラジカル塗料のデメリット

 

ラジカル塗料のデメリットは、まだ販売から10年ほどしか経過しておらず歴史が浅いことと、あらゆるメーカーが製造しているため、どれが良いか判断しづらい点です。

 

 

弊社ではこれまで一件もラジカル塗料の不具合は発生していませんが、実際にシリコン以上の性能(耐用年数)があるかどうかはまだ判断が難しいところです。それでも、多くの塗料メーカーがラジカル塗料を取り扱っている点は一定の安心材料となります。

 

その反面、市場には様々な種類のラジカル塗料が出回り、結局どのラジカル塗料が良いのか、初心者ではなかなか判断しづらくなってきている状況です。

 

 

 

ラジカル塗料に関するよくある質問【FAQ】

 

 

Q:ラジカル塗料は屋根にも塗装できるの?
A:できます。屋根専用のラジカル塗料が販売されています。

 


 

Q:ラジカル塗料を塗るには特殊な技術が必要なの?
A:特に必要ありません。一般の塗料となんら変わりません。

 


 

Q:ラジカル塗料は色に制限はある?
A:ありません。どんな色でも可能です。ただし、ラジカル塗料に限らず水性系の塗料は濃い色が造れない場合もありますので、事前に塗装業者に色確認されることをおすすめします。

 


 

Q:ラジカル塗料は薄い色にしか効果がないの?
A:そんなことはありません。濃い色でもラジカル制御の効果は同等です。ただし、濃い色は太陽光線の影響を受けやすいため、ラジカルがあるないにかかわらず塗料の劣化が早まる傾向があります。

 


 

Q:ラジカル塗料の見た目︎(仕上がり具合)はどんな感じ?
A:一般的な塗料と変わりません。ラジカル塗料だから仕上がりに違いがあるということはありません。

 


 

Q:ラジカル制御塗料は汚れやすいと聞いたけれどホント?
A:汚れやすいと感じる1番の原因は色あせによるものです。ラジカル塗料は、その色あせの発生を遅らせてくれる塗料ですから、むしろ汚れにくいと考えてOKです。

 


 

Q:ラジカル塗料はなぜコスパがいいの?
A:おそらくシリコン樹脂ベースのラジカル塗料のことではないかと思いますが、その場合ラジカル塗料はシリコンより性能が良く、価格もそう変わらないので、ラジカル塗料の方がシリコンよりコスパが良いと言われています。

 


 

Q:ラジカル塗料について正直どう?プロからみて本音を聞かせて
A:非常に優れた塗料だと感じています。弊社では、基本的に新しい塗料は取り扱わない方針なのですが、ラジカル塗料に関しては安定感もあり積極的に取り入れています。

 

 

 

まとめ:外壁塗装のラジカル塗料の特徴とデメリット

 

今回はラジカル塗料について、その特徴や歴史について紹介しました。

 

ラジカル制御型塗料は、紫外線により発生するラジカルを抑制する機能を持ち、これにより塗料の耐久性やお住まいの美観を維持してくれる塗料です。

 

注意点としては、ラジカル塗料を一括りとして考えてはいけないことです。ラジカル塗料にもいろんな種類の製品があり、ベースとなっている塗料次第でその性能や価格帯が大きく変動しますので、見積もり比較する際には慎重に行いましょう。

 

 

弊社では、ラジカル塗料をはじめさまざまな塗料を取り扱っています。コスパ重視や耐久性重視、安心重視など、お客様それぞれのご意向やご要望をお伺いした上で、よりベストな塗料をとご提案していますので、まずはお気軽にご相談ください。

 

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