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無機塗料の特徴と相場価格。失敗しない選び方やデメリットも解説!

無機塗料の特徴と相場価格。失敗しない選び方やデメリットも解説!

 

 

  • 無機塗料って本当に20年持つの?
  • 20年もつ塗料のメリットは何?
  • 無機塗料にはデメリットはあるの?
  • 無機塗料の相場価格はどのくらい?

 

 

本記事では、外壁塗装最強の塗料といわれる無機塗料を検討中の方のために、塗料の特徴信頼性相場単価や耐用年数選び方のポイント失敗しないコツなどを初心者でも理解しやすく解説します。

 

記事後半では、無機塗料が適さない場合のアドバイスよくある質問にもお答えしていますので、ぜひ参考にしてください。

 

➡︎塗料の基本情報はこちらで解説しています。

 

 

無機塗料とは?

無機質でできた製品

 

 

無機塗料とは、塗料の中に「無機物」を配合して造られた塗料のことです。

 

無機物は「炭素」を含まない物質の総称で、特徴としては「汚れにくく、劣化しにくい」という点が挙げられます。

 

例えば、お茶碗などの陶磁器やガラスなども無機質ですが、何十年経っても劣化しないですよね。その特性を活かし、それらを細かい超微粒子にして塗料に配合することで、より高い性能を持つ塗料を可能にしたわけです。

 

ただ、無機質ばかりでは硬すぎて塗料として成り立たちませんので、従来の樹脂塗料(有機物)に程度に無機物を混ぜて造られたのが現在の無機塗料の構造です。つまり、正確にいうと無機と有機の「ハイブリッド塗料」になります。

 

 

 

無機塗料っていつからあるの?歴史と施工実績

 

無機塗料は2002年から国内で使用されており、すでに20年以上の実績があります。

 

代表的な塗布構造物としては、ZOZOマリンスタジアム函館五稜郭タワー損保ジャパン本社ビルなど多くの大型建造物や公共事業で使用されており、現在も施工実績は増加中です。

 

 

 

無機塗料は何年持つ?耐用年数と寿命

 

無機塗料の期待耐用年数は、約15〜20年です。

 

期待耐用年数というのは、各塗料メーカーが独自に検査して得たエビデンスによる結果なので、塗料カタログに掲載されている耐用年数はあくまでも期待値であり、その数値から2〜3年差し引いた年数が妥当じゃないかと思います。

 

それに、無機塗料がはじめて販売されたのが2002年ですから、正味まだ20年ほどしか経過していません。そのため現段階で明確な耐用年数を確定することは難しい面もあります。ただ、フッ素塗料を上回る性能を持った無機塗料が存在することは間違いありません。

 

 

20年以上持つ無機塗料は存在する?

業者さんの中には「無機塗料は20年以上持つ」という方もいますが、おそらくそれは一般住宅向けではなく、公共事業などの大型物件向けの無機塗料(強溶剤タイプ)のことでしょう。

 

 

それに、塗料の「持つ持たない」人それぞれの感覚により異なります

 

例えば、塗装が色あせし始めたら寿命と考えるのか、それとも塗膜(塗装の膜)が剥がれ落ちてきたら寿命と考えるのか?仮に前者であれば無機塗料は10年は持たないと考えるべきで、後者であれば20年以上持つと考えられるわけです。

 

※本記事では「塗り替えを推奨する時期」を期待耐用年数として表示しています。

 

 

無機塗料の費用相場(平米単価)

 

一般住宅向けの無機塗料の相場価格(m2単価)は、2,800~4,740円m2あたりです。

 

 

塗料別 設計単価

塗料グレード 平米単価 期待耐用年数
アクリル樹脂塗料 800~1,970円 3~5年
ウレタン樹脂塗料 1,200~2,840円 5〜7年
シリコン樹脂塗料 1,800~3,800円 7~12年
フッ素樹脂塗料 2,200~4,300円 12~15年
無機塗料 2,800~4,740円 15~20年

※上記単価は、各塗料メーカーの設計単価表(300㎡以上を対象)をもとに、一般的な住宅用単価として弊社にて独自集計したものです。

 

無機塗料は住宅塗り替え用では最高級塗料になりますが、一度の塗装で20年近く持つといわれる塗料は他にありません。

 

 

 

無機塗料の特徴・メリット

 

無機塗料の最大の特徴は、一度塗れば20年以上もつとされる卓越した耐久性です。

 

この特性により、長期にわたり外壁や屋根を保護し続け、住宅にかかるメンテナンスコストを削減することが可能です。これが無機塗料が注目される理由であり、高いコストパフォーマンスを実現させる最大のメリットと言えます。

 

 

塗料別 ランニングコスト表(30年)

無機塗料のコストパフォーマンス

 

 

 

上図を見ていただくとお分かりいただけるかと思いますが、例えばウレタンやシリコンの塗料だと今後20年間でそれぞれ3回と2回の塗り替えが必要ですが、無機塗料だと1回で済みます。

 

塗装工事には、塗料代のほか足場代や人件費などの経費がかかり、これらは工事をするたびに必要です。そう考えると、より耐久性の優れた塗料を使って、塗り替えの回数を減らした方が経済的であり、高いコストパフォーマンスを得ることができるというわけです。

 

無機塗料は、将来のメンテナンスコストを最小限に抑えたい方にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

 

 

 

無機塗料のデメリット

 

無機塗料のデメリットは以下3点です。

 

  1. 価格が高い
    他の一般的な塗料に比べて価格が高い。
  2. 歴史が浅い
    まだ市場に出回って20年ほどであり、信頼性の面で不透明。
  3. 先にコーキングが痛む
    外壁は20年以上持つが、コーキングは15年が限界で補修が必要。足場代も発生。

 

 

上2つはすでに前項までに説明していますが、問題は3つ目の「先にコーキングが痛む」という点です。これは外壁がサイディングの方にとってかなり重要な問題なので少し補足しておきます。

 

 

サイディング外壁のお住まいは無機塗料の使用に注意!

サイディング外壁には、外壁と外壁の隙間に「コーキング」というゴムのような素材でできたジョイント部があります。このコーキングの寿命は約10年といわれており、最大でも15年までなのです。

 

このため、無機塗装で外壁を20年持たせても、コーキングの劣化がボトルネックとなります。

 

コーキングを補修するためには足場が必要なわけで、「どうせ足場を組むなら外壁も一緒に塗り替えようか」となり、無機塗料の最大のメリットをまったく活かせずに終わる可能性が高くなります。

 

 

 

無機塗料を選ぶ際に注意すべきポイント

 

無機塗料を選ぶ際の注意点は、同じ無機塗料でも性能にバラつきがあるという点です。

 

中には、わずかにシリコンに無機成分を混ぜただけで、堂々と無機塗料として販売されている商品もあり、そのような商品は当然15年も持たないわけです。

 

ですから、無機塗料で外壁塗装工事を検討されている方は、できるだけ名の知れた大手塗料メーカーの商品を選ぶことが大切です。そして、一般住宅での無機塗料の工事実績があり、かつ信頼できる塗装業者に依頼することが望ましいです。

 

外壁塗装工事はそれでなくとも高い買い物ですので、無機塗料を使うのならなおさら、塗料と業者を慎重に選ばないといけません。

 

 

 

無機塗料に関するよくある質問Q&A

 

 

Q:無機塗料の色はどれくらいのバリエーションがありますか?

A:無機塗料に色の制限は特にありません。どのような色でも塗装可能です。ただし、水性系塗料は濃い色味が出にくいため、事前に確認しておくと良いでしょう。

 


 

Q:無機塗料の施工には特別な技術やノウハウが必要なのでしょうか?

A:施工に際し特別な技術は特に必要ありません。シリコンやフッ素などの一般的な塗料と変わりません。

 


 

Q:無機塗料はどんな素材(屋根・外壁)に適していますか?

A:モルタル壁やALCパネルなど、どの建材でも問題なく塗装できます。屋根瓦はモニエル瓦以外は塗装可能です。

 


 

Q:無機塗料の価格相場は地域によって異なりますか?

A:地域による相場は若干異なります。理由としては、物価や流通、それに伴い人件費などが変わるためですが、そこまで大きな変動はないと思います。

 


 

Q:無機塗料の施工後、何か特別なケアや注意が必要ですか?

A:無機塗料の施工後は通常の塗料同様、特別なケアや注意は必要ありません。ただし、長期間お住まいを維持するためには、定期的な外壁の清掃やメンテナンスが重要です。

 


 

Q:無機塗料は環境にやさしい塗料ですか?

A:無機塗料は環境にやさしい塗料といえます。気になる方は、塗料の安全データシート(SDS)の取り寄せができます。

 


 

Q:無機塗料は防カビや防藻の効果がありますか?

A:無機塗料に限らず、ほとんどの塗料には防カビ・防藻効果がついています。

 


 

Q:無機塗料の工事期間は通常の塗料と比べてどれくらいですか?

A:通常の塗料と変わりません。

 


 

Q:無機塗料を使用することで、室内の温度が下がる効果はありますか?

A:無機塗料自体に遮熱や断熱の効果はありませんが、遮熱や断熱効果を付与したハイクラスな無機塗料はあります。

 


 

Q:無機塗料の施工時に発生する臭いや揮発性は気になりますか?

A:一般的な塗料と変わりません。油性の場合は多少においがします。

 


 

Q:無機塗料はサイディングにも塗装できますか?

A:サイディングにも塗装可能ですが、目地コーキング(寿命10年)が先に傷んでしまう可能性があります。

 


 

Q:無機塗料は固くてひび割れしやすいと聞いたけど本当ですか?

A:現場で無機塗料がひび割れしやすいと感じることは全くありません。無機塗料が割れやすいというのは、塗料を研究している科学者レベルの話です。そのような問題が生じる塗料ならまず製品化されていないでしょう。

 


 

Q:屋根用の無機塗料はありますか?

A:もちろん屋根用の無機塗料もあります。現在人気なのは、遮熱効果のある無機塗料です。

 


 

 

 

まとめ:無機塗料の特徴と選び方の注意点

 

無機塗料は、外壁や屋根の塗装において最高級の性能を誇る塗料です。

 

一度の費用は高額ですが、その分将来のメンテナンスコストを大幅に削減でき、長期的な視点で見ればコストパフォーマンスが非常に高い塗料と言えます。

 

ただし、無機塗料には製品ごとに性能に差がありますので、信頼性の高い大手メーカーの商品を選び、経験豊富な塗装業者を選定することが非常に重要です。

 

当社では、無機塗料を含むさまざまな種類の塗料を取り扱っており、お客様のご要望に応じて最適な提案をさせていただいております。塗料選びや業者選びにお悩みの際は、株式会社ソウシンへご相談ください。

 

お見積り(相見積もりもOKです)や現地調査、具体的な塗料の提案などは無料で行っていますので、お気軽にお問合せください。

 

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