外壁塗装のプロが解説！アクリル塗料の特徴とデメリット、高性能ピュアアクリルとは？
外壁塗装において、塗料選びは工事の成功を左右するとても重要な要素の一つです。
今回は、外壁塗装の中ではもっとも性能が低いといわれる「アクリル塗料」に焦点を当て、アクリル塗料の主な特徴やデメリット、一般的な相場価格といった基本情報から、近年登場した高性能アクリル塗料の詳細や選び方についても詳しく解説します。
「アクリル塗料はもう時代遅れ」なんて思われている方は必見の内容です。
目次
アクリル塗料の特徴と実績
アクリル塗料とは、「アクリル樹脂」を主成分として製造された塗料のことです。
アクリル樹脂は、塗料以外にもレンズや水族館の水槽、パソコンの画面など幅広く活用され、その透明性と耐久性からプラスチックの女王とも呼ばれています。そんな特性を生かして造られた「アクリル塗料」は、1950年ごろから国内で開発・製造が始まり、当初は発色が良く画期的な塗料として広く普及しました。
しかし、アクリルよりも耐久性の高い「ウレタン樹脂」や「アクリルシリコン樹脂」を利用した塗料の登場により、住宅用塗料としての需要は年々衰退していっている状況です。
アクリル塗料の耐久性の課題
■塗料別 期待耐用年数
|
外壁塗装においてのアクリル塗料の課題は、その耐久性の低さです。
外壁や屋根をアクリル塗料で塗り替えた場合3〜5年ほどしか持ちません。これは他の塗料と比べると非常に短い耐用年数であり、これがアクリル塗料が一般住宅で使用されなくなった最大の理由といえます。
アクリル塗料のコストパフォーマンスの問題
■塗料の各グレード 相場価格（平米単価）
| 塗料グレード | 平米単価（m2） | 期待耐用年数 |
| アクリル樹脂塗料 | 800～1,970円/m2 | 3～5年 |
| ウレタン樹脂塗料 | 1,200～2,840円/m2 | 5〜7年 |
| シリコン樹脂塗料 | 1,800～3,800円/m2 | 7～12年 |
| フッ素樹脂塗料 | 2,200～4,300円/m2 | 12～15年 |
アクリル塗料の相場価格は800〜1,970円/m2と一番安い価格帯で、お得なようにも見えます。しかし、アクリル塗料は耐用年数が3〜5年と短いため、約5年ごとに足場を組んで工事を行う必要が出てきます。
こうした足場代や人件費などの費用は、長期的な視点から考えると非常にコストパフォーマンスが悪く、それゆえにアクリル塗料は住宅塗り替え用としてはあまり使用されていないのです。
アクリル塗料の利用価値
ここまでアクリル塗料についてのデメリットをいろいろ説明してきましたが、逆に「なぜそのような塗料をいまだに販売しているんだ？」って疑問が生じますよね。それにはちゃんとした理由があります。
例えば、花屋さんやエステ、紳士服、パチンコ屋さんなどの店舗では、定期的な塗り替えによって集客を図るケースがあります。このような場面では、3〜5年サイクルでの塗り替えが求められるアクリル塗料が一番適しているのです。
また、DIY愛好者たちの間でも手頃な価格で手軽に利用できるアクリル塗料は非常に人気があります。
各塗料メーカーはこうしたあらゆるシーンに対応すべく、さまざまな耐久性を持つ塗料を販売しているわけなのです。そのため、「アクリル塗料＝耐久性が低い＝役立たない」と簡単に結論づけるのではなく、むしろ住宅塗装の需要には向いていないということです。
例外的な高性能アクリル塗料の登場
近年、アクリル塗料市場においても例外的な高性能を誇る商品が登場しています。
特に注目されているのは、アステックペイントの「EC-5000PCM-IR（ピュアアクリル）」と日本ペイントの「パーフェクトシリーズ」です。これら2つの商品は、通常のアクリル塗料のイメージを覆すほどの高い性能と耐久性を有しており、住宅の塗り替えにおいて大きな注目を集めています。
EC-5000PCM-IR（ピュアアクリル）の特徴
「EC-5000PCM-IR ピュアアクリル」はアステックペイントが販売しているアクリル塗料で、通常のアクリル樹脂よりも50〜100倍も大きな「ピュアアクリル樹脂」を使用しています。そのため、期待耐用年数は15年以上（※メーカー発表）という非常に高い耐久性を持つとされています。
パーフェクトシリーズの特徴
一方、「パーフェクトシリーズ」は日本ペイントが提供する高性能塗料で、アクリル樹脂の純度を極限まで高め、更にラジカル制御機能を組み合わせています。この製品も期待耐用年数が10〜15年（※メーカー発表）とされ、シリコン塗料とフッ素塗料の中間の性能を期待されています。
まとめ：外壁塗装のアクリル塗料の選び方と注意点
今回は、アクリル塗料に焦点を当て、一般住宅の屋根・外壁塗装においての選び方や重要なポイントについてご紹介してきました。
結論としては、通常のアクリル塗料は塗装後わずか3〜5年しか持たないため、コスパが悪く、外壁塗装には向いていません。最低でもシリコングレード以上の塗料をご検討いただくことをおすすめします。
しかし、アクリル塗料の中でも注目すべき製品が存在します。アステックペイントの「ピュアアクリル」と日本ペイントの「パーフェクトシリーズ」は、同じアクリル塗料でも驚くべき高い性能を誇り、外壁塗装においてもシリコン以上の優れたパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
最後に、外壁塗装においては塗料選びが工事の大部分を占めるほど非常に重要となります。
弊社では、今回紹介したアクリル塗料以外にもさまざまな塗料を取り扱っており、お客様のご意向やご要望、ご予算などに応じてより良いご提案をさせていただいておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
なお、一級塗装技能士、建物診断士保有者による無料診断や塗料のご相談、無料見積もりなども行っていますので、安心してご利用ください。