家は何年目で塗装するべき?外壁塗装の時期:プロが教えるサインと対策
新築を建ててからだいたい7年ほど経過すると塗装業者から営業電話や訪問が徐々に増えてきますよね。
「うちはまだ考えていません!」と最初は強気で断り続けていたももの、いろんな塗装業者から繰り返し声をかけられると「うちは塗装しなくちゃいけない時期なの…?」とだんだん不安になるもの。
そこで今回は、そんな不安を解消するべく外壁塗装の適正時期について詳しく解説していきます。本記事を読めば、現在のお住まいの状態やご自宅の塗り替え適正時期が分かり、結果として無駄な補修費用も抑えられ、業者の声かけにも臆することなく対応できるようになります。
※塗装工事の季節に関してお悩みなら下記記事をご覧ください。
➡︎プロがおすすめする季節はここだ!外壁塗装の狙い目(穴場) トップ5
目次
外壁塗装の時期について
家の屋根や外壁の塗り替え時期は、一般的に10年前後と言われています。ただし、これはあくまでも一般論です。
当然のことながら家は一軒一軒構造が違うわけで、ましてや地域によって気候や環境も大きく異なります。それを一括りに10年と断定できるような話ではないため、鵜呑みにすると手遅れになることもあるので注意が必要です。
では、どのようにしてご自宅の適切な塗装時期を見極めれば良いか?それは実際に自宅の屋根や外壁の状態を見て判断するほかないのです。
次項では、私たちプロが実際に現場で家の塗装時期を判断する際のチェックポイントをいくつかピックアップしてご紹介しますので、まずはご自身でご自宅の劣化診断をしてみてください。
外壁の診断ポイント「塗装時期のサイン」
まず、塗装時期を判断するにしても外壁の種類によって変わってきます。ここでは代表的な外壁材「モルタル壁」と「サイディング」の2種類の診断ポイントを紹介していきます。
モルタル壁
モルタル壁で最初に起こる劣化症状が外壁のヘアークラック。ヘアークラックとは髪の毛ほどの細さのひび割れのこと。特に、南側の日当たりが良い外壁、そして窓周りの四隅に発生しやすいです。
※画像をタップすると拡大されます。
ヘアークラックは一見たいしたことがないように思えますが、わずかにできた隙間はいつの間にか広がり、気づいた時にはモルタルの浮きや剥がれ、最悪の場合室内への雨漏りにまで繋がってくる厄介なものです。
あと、モルタル壁の注意点としては、チョーキング現象の有無で塗装時期を判断してはいけないという点です。
チョーキング現象とは、初期に起こる劣化現象の一つなのですが、モルタル壁の場合、外壁を手で触っても手に白い粉が付きません。これは、モルタル壁にリシン塗装など(表面がザラザラな塗装)を施工されていることが多いためで、外壁表面がデコボコしているので手に付きにくいのです。
ただし、手につかないからといって「まだ塗装時期じゃない」と勘違いしてはいけません。単に手に付かないだけであって、他の外壁と同様、しっかり劣化しています。
サイディング
続いてサイディングボードの外壁ですが、こちらはチョーキング現象が目安となります。チョーキング現象とは、太陽光によって塗装の膜が破壊され、白い粉状になる初期に起こる劣化現象のことですね。
チェックする場所は、ベランダの壁、そして日当たりが良い南側や西側の外壁です。この劣化現象は早ければ築5年目あたりからみられるケースもあります。
※画像をタップすると拡大されます。
そのほかにも、外壁の浮き、コーキングのひび割れなどもチェックポイントです。これらの症状も日当たりの良い場所に発生するので、比較的発見しやすいです。
※画像をタップすると拡大されます。
コーキングに関する情報は下記で解説しています。
➡︎外壁のコーキング(シーリング)打ち替え工事とは?
※重要 10年未満でお手入れした方が良い外壁材
次は、10年未満で塗装した方が良い特殊なケースを紹介していきます。以下の外壁材の家に住んでいる方は要注意です。
|
以下で紹介する事例は、実際にお客さんが「もう少し早く塗装しとけばよかった」と後悔されたケースですから、事前に知っておくことで失敗を回避できるはずです。
タイル柄・レンガ調のデザインサイディング
まず一つ目が、おしゃれなデザインが施されたサイディング外壁。ただし、塗装でサイディングのデザイン柄が消えても良いとお考えの方はスルーしてください。
もし、新築時の外壁デザインが気に入っていて残したいとお考えならば、透明なクリア塗装を行えばデザインをそのままに新築のような輝きを取り戻すことが可能です。
しかし、ここで問題となるのは塗装時のサイディングの状態です。
クリア塗装は無色透明なので、外壁の傷みや色褪せもそのまま反映されてしまいます。つまり、クリア塗装を行うには外壁に傷みがでていないことが必須条件なのです。なので、タイル柄・レンガ調のデザインを残したい方は10年未満での塗装が重要となるわけです。
ご自宅のサイディング外壁にクリア塗装ができるかどうかを調べる方法は下記記事で解説しているので参考にしてください。
➡︎まだ間に合う?デザイン調サイディングにクリア塗装が可能か確認する方法
ジョリパッドの外壁
二つ目がジョリパットの外壁です。
ジョリパット壁とは、アンティークな塗り壁の風合いを持つマッドな仕上がりの外壁のことです。地中海や南フランス近辺のおしゃれな住宅街を連想させる外壁ですね。
このジョリパット壁は補修が非常に難しい外壁材です。というのも、新築時にジョリパット壁を選ばれている方というのは基本的に建物の美観重視なので、塗装後に補修による外壁のほんの少しの段差さえも気になってしまうものです。
特にジョリパット壁はヒビが入りやすく、5年目あたりからヘアクラックが出始めますので、それが大きなひび割れに移行する前に塗装することを推奨します。そのためにも、こまめにご自宅の外壁状況を確認しておくことが望ましいです。
【関連記事】ジョリパットの詳しいメンテナンス情報はこちら
外壁塗装の役割と重要性
では今度は視点を変えて、「このまま塗装しなかったらどうなるの?」について触れておこうと思います。この疑問に関しては誰しも一度は考えたことがあることなのではないでしょうか。
結論から言うと、塗装しなくても家が倒れるようなことはありません。
では、なぜみんな高いお金を払って塗装工事をするのか。それは「将来的なメンテナンス費用を抑えるため」です。
もちろん、塗装には建物の美観維持・向上という側面もありますが、塗装することで外部からの悪影響を受けにくくし、結果として建物の寿命を延ばすことにつながります。つまり、将来的な大規模修繕工事を事前に予防できるのです。
例えば、家の塗装を行わずそのまま放置すれば、外壁や屋根のひび割れや剥がれが起こり、最終的に室内の雨漏れへと繋がっていきます。そうなると、本来塗装工事だけで済んだものが屋根瓦の補修や葺替え、外壁の補修やサイディングボードの交換など、さまざまなリフォーム工事が必要となってくるのです。
具体的な金額を説明するならば、屋根からの雨漏りが起これば調査費用で数万円、瓦の全面吹き替えで100〜200万円前後、外壁であればモルタル壁修復工事で数十万円、サイディング外壁の部分張り替えでも100万円近い補修費用がかかることもあります。
それ以外にも、室内に雨漏りしているのであれば室内クロス(壁紙)の張り替えや天井ボードの張り替えなど、その工事は外部だけではなく室内や躯体にまで及ぶことになります。
外壁塗装はこうした補修が一通り終わってからしか行うことができません。ですから、「お金が余ってどうしようもない」というようなお金持ちの方以外は、やはり定期的な塗装を行ったほうが間違いなく経済的なのです。
まとめ:外壁塗装の時期についてプロが教えるサインと対策
さて、今回は外壁塗装初心者の方のためのお住まいの塗装時期・タイミングについて解説しました。最後に、本記事のポイントを要約しておきましたので、改めてご確認ください。
■外壁塗装の時期
- 一般的に10年前後が目安。ただし、建物や地域によって異なるため、一概に10年と断定するのは避けるべき。
■外壁の診断ポイント
- モルタル壁 … ヘアークラックの発生が初期症状。チョーキング現象の有無で判断してはいけない。
- サイディング壁 … チョーキング現象が初期症状。外壁の浮きやコーキングのひび割れなどにも注意。
■10年未満でのお手入れが必要な外壁材
- タイル柄・レンガなどのデザイン調サイディング
(クリア塗装で外壁デザインを保持するするなら、傷む前に塗装必須) - ジョリパットの外壁
(クラック補修が仕上がりに影響するため、早い段階での塗装が推奨)
■外壁塗装の役割と重要性
- 外壁塗装の最大のメリットは将来的なメンテナンスコストを抑えられる点。目視で確認できるような傷みが出る前に塗装することで家は綺麗な状態で長く維持できる。傷みを放置すれば、本来必要のない大掛かりなリフォーム工事が必要となる。
ご自宅の塗装時期を知ることは、悪質業者に騙されないためにも役立ちます。しかし、より正確な工事時期を知るためには、やはり専門家の見解が必要不可欠となります。大切なお住まいをより長く、より綺麗に保つためにも適切な時期に適切な工事を行うことが何より重要ですね。
福岡市東区に拠点を構える株式会社ソウシンは、下請け業者を使わず自社で一貫して工事を行う外壁塗装の専門会社です。ご自宅の塗装時期や、ご自宅に合う塗料の選定で悩まれている方は、ぜひ一度お問い合わせください。必ず喜んでいただけることをお約束します。